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前方侵入椎体固定術(OLIF)

このページでは、脊椎外科の最新術式のひとつ、前方侵入椎体固定術(OLIF)について、手術の概要や特徴を紹介します。

海外では実績豊富な前方侵入椎体固定術(OLIF)という手術の概要

前方侵入椎体固定術(OLIF)はOblique Lateral Interbody Fusionの略で、重度の変性側弯症に対する手術として海外では豊富な実績があります。日本ではまだ一部の専門病院でのみ行われている先進的な術式といえるでしょう。

現状、比較的ポピュラーな椎体固定術は後方=背中からアプローチします。この方法は、筋肉組織を傷つけてしまうため、身体への負担が大きくなってしまいます。それに対してOLIFは脇腹あたりからケージという固定用のパーツを入れて、その後に背中からスクリューを入れて安定化を図るもの。

なお、この腰椎前方固定用ケージは2012年に日本で導入されています。後方からのアプローチだと筋組織へのダメージが避けられなかったのが、この方法なら筋肉への影響も最小限にできることから、京都大学医学部付属病院など脊椎外科の国内におけるリーダー的病院では積極的に取り組んでいる術式です。

脊椎インストゥルメンテーション手術の発展

脊椎インストゥルメンテーション手術は、1980年代から徐々に普及し始めた固定手術で、変形した背骨を金具で固定・支える手術です。主に以下の病気で用いられます。

  • 特発性側彎症
  • 腰椎分離すべり症
  • 腰椎変性すべり症
  • 腰椎変性側彎症
  • 腰椎変性後彎症
  • 頸椎後縦靭帯骨化症
  • 脊椎損傷

背骨が安定しない方には有効的な手術治療で、治療期間の短縮や成功率が格段に上がった結果も出ているようです。実際にOLIFと併用することによって術後成績の向上を図ることによって不可能を可能にした手術もあります。

低侵襲脊椎固定術(XLIF)との違いは?

前方侵入椎体固定術(OLIF)と低侵襲脊椎固定術(XLIF)はの違いは何かというと、アプローチするための進入路が異なる点です。OLIFはやや斜め前方から大腰筋の前方を通過して、大腰筋を温存しつつ椎体間に達する方法であるのに対して、XLIFは、真横から大腰筋を分割してアプローチする方法です。この進入路の違いにより、合併症の現れ方も変わってきます。

前方侵入椎体固定術(OLIF)と低侵襲脊椎固定術(XLIF)の合併症の現れ方

前方侵入椎体固定術(OLIF)と低侵襲脊椎固定術(XLIF)には共通する合併症とそれぞれ異なる合併症があります。共通する合併症として、術後大腿前面部のしびれと筋力低下、椎体終板損傷、分節動脈損傷があります。OLIFに頻度が高いものとして、腹膜損傷や尿管損傷。XLIFに頻度が高いものとして、腸管損傷や神経損傷が挙げられています。

手術前に知っておきたいこと

手術時間

前方進入椎体固定術(OLIF)の手術にかかる時間は不明。海外ではよく行われる手術ですが、日本ではまだメジャーではなく、どの医療機関からも特に公表されていないからです。

国内に導入されたのが2012年と比較的新しい手術のため、症例数が少ないことも理由にあげられます。手術について詳しく知りたい方は、OLIFを導入している医療機関(横浜脊椎脊髄病センター、京都大学医学部付属病院など)に問い合わせてみるといいでしょう。

入院期間

前方進入椎体固定術(OLIF)の入院期間は2週間程度。症例数が少ないためあくまで目安です。術後は3か月ほどコルセットで腰椎を保護します。

OLIFは、大腰筋に直接触れずに脊椎前方へ骨を移植して脊椎を固定する手術。神経が集まっている部分にダメージを与えることがないため、下肢神経障害といった後遺症のリスクを抑えられるとして注目を浴びている手術方法です。

費用

前方進入椎体固定術(OLIF)は、1~3割の自己負担で35~40万円ほどの手術費用がかかります。自由診療の場合は130万円から。日本では導入されたばかりで、手術をすることができる医療機関も限られています。

今後OLIFが広まると費用の相場が変わる可能性もあるので、手術を受けたい場合は最新情報をチェックするようにしましょう。

前方侵入椎体固定術(OLIF)のメリット・デメリット

前方侵入椎体固定術(OLIF)は後方からアプローチする術式に比べて、患者への負担がより少ない低侵襲であることが大きなメリット。これは同じように側方からアプローチするXLIFとも共通する点です。逆にいえば、後方からアプローチする腰椎手術は、椎体に到達するまでのプロセスに一定のリスクがあり、それを回避できるのがOLIFやXLIFというわけです。

もっともOLIFやXLIFにもリスク要因はあります。アプローチ方法との兼ね合いで、OLIFは尿管損傷、XLIFは陰部大腿神経損傷股関節屈曲筋力の低下といった点が懸念されます。もちろん手術がきちんとなされれば、他の手術よりも低侵襲な脊椎固定術であることは間違いありません。脊椎外科は進歩のスピードが早いので、こうした最先端の術式がよりベターであることから、高度医療に取り組む病院でも採用しているわけです。

しかし、OLIFにはメリットばかりではなく、症例は少ないながらも神経麻痺や感染といった合併症も報告されているようです。日本では対応できる病院や専門医もまだ多くはないので、手術実績や口コミなどで情報収集して病院選びの参考にしてください。

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