腰椎すべり症

このページでは、腰椎のズレが痛みの原因となる、腰椎すべり症について、症状の特徴や原因などを紹介します。

高齢者や女性に多い腰椎すべり症という病気の概要

腰椎すべり症ですべりと呼んでいるのは腰椎がズレてしまうこと。腰椎が滑ってズレてしまい、それが元に戻らないと痛みの原因となり、高齢者及び女性によく見られる腰椎疾患といえます。

本来、腰椎は複数が積み重なった状態を関節や靱帯によってしっかり保護されているから、背骨として真っ直ぐな状態を維持できるわけです。それがきちんと支えられなくなると腰椎が滑って元に戻らなくなるわけです。

腰椎すべり症の原因

腰椎すべり症が起きる原因は先天性や発育性のものもありますが、ここでは腰椎の病気をきっかけとして起きるケースを紹介しておきます。

変形性腰椎症を原因とする腰椎すべり症

加齢に伴って骨や関節はある程度変形しますし、軟骨はすり減っていきます。これは腰椎にも起こる事象で、変形性腰椎症になると腰椎を支える機能が弱まって、前方に滑りやすくなるわけです。これが高齢者によく見られるケースで、腰椎変性すべり症と呼ばれます。

腰椎分離症を原因とする腰椎分離すべり症

スポーツなどの激しい動作が積み重なって、腰椎が疲労骨折することがあります。このように腰椎の一部が骨折してしまうと、バランスが悪くなって腰椎が滑りやすくなるわけです。この場合は腰椎分離すべり症と呼ばれます。腰椎分離症のすべてが腰椎分離すべり症になるわけでなく、割合としては10~20%といわれています。

腰椎すべり症の症状

腰椎すべり症の代表的な症状はもちろん腰痛です。これは軽いものから重いものまで、状態によってかなり幅があります。

加齢に伴う腰椎すべり症だと、痛みも数年かけて強まっていくので、違和感を感じることはあっても腰の病気だと自覚するのはなかなか容易ではありません。かなりの痛みになる頃には慢性化していて、坐骨神経痛を併発するようなケースも見られます。

他に見られる症状では、下肢痛や間歇跛行があります。腰椎の神経が圧迫されるなどのダメージを受けると、脚に痛みや痺れを感じますし、筋力低下にもなります。間歇跛行とは、長時間の歩行によって痛みが増した際、前屈みになって休憩をすると一時的には痛みが和らぐ状態を意味します。

また、人によっては残尿感や頻尿、便秘などの膀胱直腸障害を発することもあります。

腰変形性腰椎症とは

腰椎変性すべり症の原因となる変形性腰椎症。腰椎の椎骨を支えている椎間板が弱り、椎骨に負担がかかることによって骨が変形してしまう症状です。椎骨はトゲのように変形し、周りの神経を刺激。椎間板を傷つけることになります。

初期症状は体のダルさや朝起きた時に腰が痛い、腰が重く感じる程度ですが、症状が悪化してくると歩行や長時間立っていることも困難に。同じ姿勢のままでいたり体が冷えたりすると痛みが出やすく、入浴などで腰を温めると痛みが軽減します。

変形性腰椎症と診断されると、まず痛み止めの薬を使用して適度な運動を始め、赤外線やホットパックを使用した温熱・電気療法、腰にコルセットなどを着けて体を支える装具療法などで様子を見ることになります。

通常は手術等を行わず、こうした保存的療法で治療を続けていきます。しかし症状が悪化すれば最悪の場合、外科的療法・手術での治療が必要です。それでも完治することはありませんので、早めの治療・生活習慣の改善が求められます。

なりやすい人

変形性腰椎症は主に老化が原因で引き起こされる症状です。椎間板ヘルニアは20代~30代の患者が多いのに対し、変形性腰椎症は40代~高齢者に多く見られます。とくに若いころ腰に負担がかかるスポーツをしていたり重労働を長期間続けていたりと、腰回りに負担をかけてきた男性に多く見られる症状です。肥満気味の体型であっても、日常的に腰に負担がかかるので同様です。若いころに腰を痛めてしまった人も腰椎が弱っており、老化によって腰椎が変形しやすくなっています。

男性だけでなく女性に見られるケースも。更年期を迎えると骨粗しょう症を引き起こしやすく、骨が弱くなり負担がかかることで腰椎が変形してしまうため、更年期障害の症状の1つとして変形性腰椎症を引き起こしてしまうのです。

問診で聞かれること

診察時に身体の動作テストを行いながら問診を行い、レントゲンやMRIを駆使して原因を特定していきます。変形性腰椎症の問診で聞かれることの多いポイントを確認してみましょう。

  • 痛みの出るタイミング
    動作の動きはじめ、とくに起床時や長時間同じ姿勢のままでいた直後に強く痛みが出ます。腰変形性腰椎症では体を動かしているうちに痛みが少なくなってくるのが特徴です。
  • 過去に腰に負担がかかるスポーツ・重労働を続けていなかったか
    腰に負担をかけている時間が長いと椎間板が変形しやすく、変形性腰椎症を発症しやすくなっています。肥満気味の体系も腰に負担をかけますので同様です。
  • 腰の張り・コリ具合
    腰椎の変形によって周辺の筋肉・筋肉内の血管に負担がかかるので血液の流れが悪くなり、腰が張った感じが続きます。その結果、疲労物質が神経を刺激して痛みが増加することにより筋肉が緊張。悪循環が続いてしまいます。
  • 精神的ストレスを抱えていないか
    原因がはっきりしない腰痛の場合、精神的ストレスが要因の1つとしてとして考えられます。レントゲン撮影やMRIの画像検査で異常が見つからなかった場合、原因不明の腰痛と診断されることも。「心因性腰痛症」というストレスが原因の腰痛の可能性が考えられます。
  • 温めることで痛みが軽減するか
    変形性腰椎症は入浴などで腰が温められると症状が減少します。腰痛全般にいえることですが、痛みの原因は筋肉や神経、靭帯などの炎症です。そして炎症を悪化させるのが血行不良。腰を温めて血行を良くすることで炎症の回復を早め、疲労物質も取り除かれて筋肉の動きも改善。痛みが減少するのです。
  • 過去に腰を痛めた経験
    過去に腰を痛めた経験がある場合、加齢に伴い症状の再発が考えられます。腰の痛みの原因は完治させることが難しいため、日ごろから対策を続けなくてはなりません。

これらの問診を行い、医師が体の動きをチェック。レントゲン検査やMRIで、骨棘が形成、椎間板の変形が確認されると、変形性腰椎症と診断されます。

予防

  • 適度な運動
    腰変形性腰椎症の1番の原因は加齢や肥満です。腹筋や背筋の筋力を維持することで予防につながります。普段から適度な運動と姿勢を意識して痛みの軽減や予防に努めましょう。肥満の場合ダイエットは腰痛全般に効果的で、痛みの軽減につながります。
    ただし、激しいスポーツは椎間板を傷めます。背骨を支える腹筋、背筋のトレーニングは椎間板の保護に効果的ですが身体をひねる動きの多いスポーツやジャンプ・着地を繰り返すようなスポーツは椎間板を傷めてしまいます。適度な運動やトレーニングを心掛けましょう。
  • 栄養補給
    椎間板の成分を身体に摂り入れることで、椎間板の老化を予防することができます。サプリメントで不足しがちな栄養を補給するのも有効です。
  • ストレスの解消
    自律神経が乱れて筋肉が緊張。血流が悪くなり症状が出始める場合があります。精神的ストレスが痛みの原因となっている可能性もあり、ストレスの解消は予防に効果的です。

腰椎すべり症を自分で治す

日常の生活習慣を見直し、症状の進行を和らげることが可能です。腰に負担をかけない生活と適度な運動が必要となります。腰の痛みから日常活動に制限をかけ、運動不足が続くと症状は悪化してしまいます。寝たきりの状態が続くと筋肉が収縮してしまい、余計に痛みが増すことも。

適度な運動を続け、腰回りの筋肉をしっかり動かしてあげることが必要です。こわばった筋肉を引っ張って伸ばすストレッチを続けましょう。ただし、体を後ろ反らすような動きがNGな場合も。症状を悪化させてしまうこともありますので、運動は医師のアドバイスを受けて行なうようにしましょう。

市販の湿布で鎮痛して様子を見たり、鍼治療やお灸による治療も有効とされています。鍼やお灸では患部に刺激を与えて血行を良くして筋肉をほぐすことで痛みを和らげます。

血行の改善となれば漢方薬やサプリメント、ビタミン剤などで血流を良くし、体質を改善していくことも有効でしょう。筋肉疲労や炎症を抑えるための栄養素が不足していれば有効な治療は望めません。

肥満体質の場合、ダイエットが最も効果的です。上半身の重みを支えている腰椎。体重があるほど腰椎には負担がかかります。体重を軽くしないと痛みが激しくなるばかりです。

このように軽度の腰椎すべり症に対しては家庭で行える改善、予防法はたくさんあります。ただし診断にはレントゲン・MRIが必須。腰の痛みを感じたらすぐに病院で診察して医師のアドバイスのもと、適切な治療法、改善方法で対処しましょう。腰の病気は対処を誤ると症状を悪化させてしてしまう場合があります。

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