変性側弯症の治療法

このページでは、運動療法から各種手術法まで変性側弯症の治療法について紹介します。

定期的経過観察

子供の場合、成長していくことを考える必要があることと、自然治癒の可能性も見逃せないからです。各年代における観察状況を紹介します。

乳児側弯症 乳児側弯症は、発症が0歳から3歳くらいの場合です。成長の過程で少しずつ自然治癒する場合もあるため、手術をしないでしばらく様子を見ていきます。基本的には、60度から80度までそれぞれの医師の判断により、経過を観察します。基本的には4ヶ月ごとの診療ですが、病状の進行速度により、3ヶ月から6ヶ月まで医師の判断による変更があります。80度を越えると、悪化していく可能性が強くなるので器具類を利用して治療が始まります。

若年性側弯症

若年性側弯症は、発症が4歳から9歳くらいまでの場合で、こちらもまだ初潮の前であるため、進行が比較的早めであることが想像できます。30度までの傾きに対しては、ほぼ4ヶ月ごとの進行観察になりますが、観察のたびに5度以上の進行がある場合は、3ヶ月ごとの診療になります。様子を見て、装具による治療を始めますが、成長の過程にあるので、成長の状態を考えながらということになります。そのため、装具の装着は経験のある医師に任せましょう。

思春期側弯症

思春期側弯症は、10歳以上に発症した場合ですが、11歳前後で初潮がまだ始まっていない場合、進行が速いので注意が必要です。成長期で30度までの傾き、成長が終わってから40〜45度の場合、経過観察をしていきます。経過観察は、3〜4ヶ月ごとにしますが、その間に5度以上の進行がある場合は、装具療法を始めます。

成人側弯症

成人になってから、子供時代の側弯症が遺存している場合、成人側湾症と診断されます。その場合、定期的経過観察は椎間関節症・椎間板障害・骨髄形成などを伴い、強い痛みが伴い、カーブが固いので、一般的に装具療法での効果はあまり期待できません。そのため、手術をするかどうかは、リスクと利益を総合的に考え、医師と相談し決断します。

参考:(PDF)脊柱側弯症治療の歴史と現況(教育総説野原 裕:獨協医科大学整形外科学講座)

装具による治療

代表的な4種類を紹介、変性側弯症の手術以外の治療法

変性側弯症の治療法として、まずは手術以外の4つの方法について説明しておきます。

コルセットによる変性側弯症の装具療法

曲がった脊椎を矯正するために胴体部に大型の装具を着けて生活をします。服を着ればさほど目立たず、ちょっとした運動なら支障がないなど、不便を感じないものもあります。変形の角度や部位などによって使われる装具にも特性があって、ボストン型やジャケット型、大阪医科大学式側弯矯正装具などがよく知られています。また、有名なものとしてはミルウォーキー装具というものもあります。こちらは首の部分が目立つので、受け入れられない事が多いようです。

体操などによる変性側弯症の運動療法

装具療法と合わせて行われるのが体操などの運動療法です。装具を付けて生活するとどうしても筋肉が弱る傾向があり、それを防ぐ意味で、装具を外した時に体操をするというわけです。ただ、この運動療法によって側弯症の進行が予防された、もしくは改善されたという医学的根拠はありません。あくまで装具療法の補助的な位置づけとして行われることが多いようです。

矯正力が強い変性側弯症のギブス療法

装具よりも矯正力が強いのがギブスで、治療効果によっては1~2ヶ月程度ギブスを利用することがあります。ある程度矯正効果が見られたら、その後は装具を利用します。コルセット等の装具療法に比べ、ギブスは扱いにくいので、よほど重度でない場合は導入されない事がほとんどです。

器具を利用した変性側弯症の牽引療法

専用器具を使って背骨を伸ばすのが牽引療法。牽引療法は一般的にグリソン係蹄など、頭を20度の角度に固定し、4本の紐と滑車を使って牽引します。顎部分にパットを装着したコトレル牽引法は、特に効率的に結果が出るために、よく利用されてきました。最近では、コトレル牽引法の利点を残しながら、パットを外した様式の牽引法も使われています。こちらの方が、利用者には好評なようです。これからも、改善が施されていくでしょう。

参考:(PDF)整形外科と災害外科:36 巻 (1987-1988) 3 号 p. 774-776(グリソン係蹄の改良試作)

成人になってからは、あまり効果が期待できないようですが、まだ成長の過程にある乳児や幼児には、整形外科と災害外科「幼児の症候性側弯症の保存療法」にもあるように、効果が期待でき、手術に至らなかった例もあります。

変性側弯症の手術法とは

胸椎から腰椎にかけての変性側弯症で、変形した角度が40度を超えるようだと手術を検討する必要があります。術式は前方法と後方法に大別され、前方法は腹部側から切開するもので、後方法は背中から切開して脊椎にアプローチします。前方法は患部まで到達するのに手間がかかりますが、椎体を直接矯正できることから、固定する範囲が少なく出血量を減らすことにもなります。一方、後方法はアプローチが前方法より容易なので、こちらを採用するケースも多いでしょう。

なお、脊椎外科では内視鏡下手術によって患者への負担を軽減する方向に向かっていますが、側弯症の手術はまだ十分に時間短縮ができているわけではありません。しかし、手術後の患者の身体へのダメージは医療の進歩によってかなり改善されています。以前は手術後何ヶ月もギブスをする必要がありましたが、現代の技術では既にギブスが必要ない場合もあるほど。今後の医療技術の発達により、さらなる改善が期待されています。

脊椎固定術で多くの実績を誇る地域別おすすめ病院
  • 関西地方
  • 関東地方
  • 東海地方
はじめて脊椎治療をされる方へ
ページの先頭へ