変性側弯症

このページでは、脊椎が曲がった状態の変性側弯症について、症状の特徴や原因などを紹介します。

初期は自覚しにくい変性側弯症という病気の概要

変性側弯症の定義としては、身体の正面から脊椎を見た時に10~30度以上曲がっている状態を意味します(診断基準は病院によって異なります)。

主に加齢等によって変形が生じる、高齢者の病気です。多くの場合、変形は徐々に進行していくので、普通に見て背骨が曲がっているのがわかるほどだと、かなり状態が悪くなっていることも考えられます。

変性側弯症の原因

変性側弯症は機能性側弯症と構築性側弯症とに分類されるので、それぞれに原因を確認してみましょう。

機能性側弯症の原因は外的要因によるもの。代表的なものは普段の姿勢の悪さです。他にも左右の脚の長さが違う人や、股関節の病気をすると骨盤が傾斜して側弯症になることがあります。腰椎椎間板ヘルニアの影響から脊椎が変形して側弯症を併発することもあります。

構築性側弯症の場合、大半が原因不明とされています。主な症例としては先天性、脳性小児マヒ、外傷性、神経疾患の合併症などが挙げられますが、脊椎自体が問題を抱えているため、病状の進行を防ぐのが難しく、姿勢を正すなどしても矯正できないとされています。

原因の分からない側弯症

原因の特定できない側弯症のことを「突発性側弯症」といいます。とくに思春期の女性に多く見られ、遺伝の傾向があるとも言われていますがはっきりとした遺伝様式は解明されていません。日本では学校の健康診断で脊柱検査が行われるようになってから早期発見が可能になりました。側弯症のうち80~90%がこの突発性側弯症と言われており、現在でもはっきりとした原因は不明です。解っているのは姿勢や物の持ち方とは関係がなく、カイロプラクティックや整体では治療効果がないということ。突発性側弯症は、発症する時期によって大きく次の3つに分けられます。

  • 乳幼児側弯症
    乳幼児側弯症は0~3歳に発症する側弯症です。乳幼児の時期に側弯症が発見されると徹底した検査が行なわれ、それによって異常が認められない場合、「先天性側弯症」ではないと判断されます。先天性側弯症でない場合の多くは乳幼児側弯症です。自然治癒すると言われており、治療をせずにしばらくの間経過観察を行ないます。4~6ヵ月おきにレントゲン撮影を行ない、背骨のカーブが進行していないかどうかをチェック。カーブの具合が進行していない場合はそのまま観察、進行が確認されると装具療法に移ります。
  • 学童期側弯症
    4~10歳時期に発症するものは「学童期側弯症」と言われます。小中学校では学校保健法で脊椎の検診が義務付けられており、背中に縞状の光を当てて検診する「モアレ検査」が有名です。カナダの学校でこの「モアレ検査」を中止したところ、側弯症と判るまでに時間を要し、症状が進行した状態で医療機関を受診する児童が増加したのだそう。なかには装具療法が困難になるほど進行してしまったケースも。このことから、学校診断でのモアレ検査は早期発見のために重要な役割を果たしていることがわかります。
  • 思春期側弯症
    もっとも突発性側弯症を発症するのが思春期。10歳以降に発症するものを思春期側弯症と言います。女子児童に発症しやすく、その確率は男子の5~7倍です。とくに初経前後の児童や、やせ形の女子中学生に多いのが特徴。骨成熟が未成熟で成長期の思春期に側弯すると、装具を用いた治療法が必要です。20度以上の側弯が認められた場合、コルセットを用いて固定したり、ボストン装具と呼ばれる矯正器具を使ったりして側弯の進行を食い止めます。現在、思春期側弯症の治療は装具によるものが主流。早期発見が多いため、手術するほど高度な側弯症のケースは少なくなっています。

変性側弯症の症状

変性側弯症の初期段階では自覚症状がほとんどなく、日常生活の中で本人や周囲が気付くのは容易ではありません。成長期に側弯症になったからといって、それがすべて高度な変形に至るわけではなく、成長が終わるとそのまま特に支障もなく生活できるケースも多々あります。進行のしかたは個人差がかなり大きく、骨が未熟な段階で高度な側弯症が見られる場合だと、きちんとした治療を受ける必要があります。

自覚症状としては首や背中、腰などに痛みを感じるようになります。長時間座っていると背中が痛くなったり、疲労を感じやすくなる傾向もあります。外形的な兆候としては、左右の肩の高さがズレていたり、肩甲骨の位置や出っ張り方が左右で違ってきたり、ウエスト部分が身体の左右で非対照になるといった傾向が見られます。

なお、変形が大きな側弯症をそのままにしておくと、胸郭が変形してしまって肺にも悪影響を及ぼします。最悪の場合、肺や心臓の合併症になることもあるので、注意が必要です。

変性側弯症になりやすい人とは

突発性側弯症になりやすい人は一般的に年齢が若く、初潮前の女性や骨が未熟で成熟していない状態の方に多いと言われています。特定の遺伝子が明らかになっておらず、遺伝するとは言い切れないものの、家族内遺伝が見られる場合が多いのだとか。血縁者の中に側弯症を発症した方がいる場合には注意が必要です。また稀に、子どもの頃に側弯症は発症しなかったものの、閉経してから急激に背骨が曲がりはじめる女性もいます。閉経期の女性は骨密度が少なくなる時期でもあるので要注意。骨粗しょう症を併発してしまう恐れもあるのです。急に背骨が曲がってきたり背中が丸く盛り上がってきたりといった背中の異変を感じたら、必ず医師のもとで診断を受けることをおすすめします。

側弯症セルフチェック

まず、鏡に上半身を写し、正面から見て右肩と左肩の高さが同じかを見比べます。両腕と腰の間にできるすき間の大きさは左右同じかどうかを見ましょう。このとき、極端に肩の高さがちがったり腰の間のすき間が大きく違ったりしていたら、身体に歪みを起こしている可能性があります。手のひらを合わせて前かがみになり、腰の筋肉の高さや背中の高さが同じかどうかもチェック。これは家族など誰かが一緒の場合に行なえるチェック方法です。このようにお互いの背中の位置や肩甲骨をチェックしてみることをおすすめします。後ろから見て肩甲骨が急激に歪んでいても要注意。専門の病院でレントゲン検査を受けるなど、詳しい検査を行ないましょう。変性側弯症は早期発見して治療に取り組むことで、多くが重度の進行を食い止められます。自己判断だけで済まさずに、セルフチェックで当てはまる項目があったら早めに整形外科を受診しましょう。

予防や避けるべきこと

今のところきちんとした予防法が確立していないため、早期発見が大切です。セルフチェックを行なって側弯症の症状と同じような身体の状態を発見したり、背骨に痛みを伴ったりと明らかに極度に歪みを起こしていておかしいと感じたら、すぐに専門の医療機関を受診することが大切です。万が一側弯症と判断されたら、片方の肩で重い荷物を持つことは避けた方がいいでしょう。かばんはなるべくショルダーバッグではなく、交互に掛けるかリュックサックを持ったほうが賢明です。日常生活では姿勢を真っすぐに保ち、床に横座りするのを避けるなど、身体や背骨に負担がかからないように過ごすことが大切です。

変性側弯症を自分で治すには?

変性側弯症になってしまったら、整体やカイロプラクティックで直すことはできません。専門医指導のもとでコルセットや器具による治療を行ないます。自宅でできるリハビリで有効なのは鉄棒などにぶらさがり、腰を回したりする体操です。また、骨や筋肉が弱らないようにすることが大切。側弯が進行しないように背骨周辺の筋肉を鍛えることは効果的だと言われています。放置して自然治癒を待つことだけは絶対にやめましょう。とくに児童の側弯症の場合、進行すると矯正器具やコルセットだけでは完全に治せないほど深刻化するケースがあります。また大人の側弯症は強い痛みを伴うことがほとんどです。背骨や首に痛みを感じたら早めに専門医を受診しましょう。きちんとした医師の指導がないまま整体やマッサージに行くのは危険なので安易に行かないようにしてください。むやみに神経を傷つけて身体のほかの機能が悪化してしまうことにもなりかねません。まずは必ず医師のもとを受診して詳しい検査を行ない、正しい診断と治療法で治癒に向かうことが大切です。

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